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2007年11月 8日 (木)

高野道場 その1

 私が高校生の頃通った剣道の道場です。

家から歩いて2、3分の所にありました。

たくさんの思い出があります。

いくつかご紹介致します。

1.面金が折れた

私が高野先生に稽古の初めに、切り返しの面を

打ったところ、ガツッと変な音がしました。

すると先生は右手を上げて私を制して、

「ちょっと待って、面金が折れた。」とおっしゃい

ました。

私は愕然としました。面を打って竹刀が折れるの

ならわかります。そうではなく、面金が折れる

実際は面金の溶接部分だったと思います。

それにしても、先生は面が壊れてしまうほど、

門下生に稽古をつけておられたのです。

2.ベートーベンの月光 

 それは幻想的で素敵な瞬間でした。

1階が道場で2階に更衣室があり、その2階には

先生のご自宅がありました。そしてそこからはいつも

お嬢さんの弾かれるピアノの音が聞こえていました。

ある時、激しい稽古が終わり、黙想が始まりました。

呼吸が整い、身体も心も静寂になり、稽古していた

全員の気持が一つになった瞬間。

あの月光の単純で奥深く、静かで激しい月光の

一楽章が流れて来ました

偶然ではないでしょう、意図的でもないでしょう。

道場での喧騒が止み、静寂が訪れ、皆の一致した

気が道場の空間に充満したことが、彼女の指を

自然に動かし始めたのだと思います。

今でも私はこの曲を聴くと、その時の事を思い

出します。

3.荻原先生

荻原先生はまだ20代前半にもかかわらず、高野

先生に上段を許された数少ない剣士でした。

私などは竹刀がどこにも当たりません

かすりもしないうちに、小手、面、胴を軽く取られて

しまいます。

高野先生が荻原先生に稽古を付け始まめると、

自然に私達は竹刀を納め、お二人の周りに集まり

何かしら学ぼうとじっと見つめていました。

お二人の無駄のない動きが印象的でした。

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